「メディア」と聞いてまず思い浮かぶのはなんだろうか?
メディアというと、「新聞」とか「テレビ」といったいわゆるマスメディアを思い浮かべる人もいれば、10代・20代の人なら「スマホ!」と応える人もきっと多いはずだ。
そう、21世紀において、あらゆるところに「メディア」は散らばり、日常に溶け込み、そして僕らの日常を作っていさえする。
あれもメディア、これもメディア
メディアといって挙げられるもものはたくさんあるぞ!
- 電話
- 郵便物
- 本
- ラジオ
- テレビ
- 新聞
- パソコン
ここらへんはササッと思いつく人も多いだろう。
だがしかし!他にもまだまだ挙げられる。
- 文字
- 音楽
- 画像
- 写真
- 映像
もメディアと言えるのだ。
あれもメディア、これもメディア状態である。
メディアに共通するもの
二つのグループに違いがあることに気づいてもらえただろうか?
最初のグループは何かしらの情報を伝えるものである一方で、次のグループでは情報そのものなのだ。
よくメディアとして思い浮かべるものは最初のグループにあったもののはずだが、実際には情報そのものも「同じ」メディアとしての役割を果たしている。
では、ここまで挙げたメディアに共通するものとはなんだろうか?
ごく短い言葉で表現してしまうとこうなる。
「メディアとは媒介である!」
メディアは媒介する
「手段」ではなく「媒介」としてのメディア
メディアにおいてなされているのは、誰の目に見ても明らかに「何かしらの情報を伝える」ということだ。
そうすると、メディアはコミュニケーションの手段だという風に捉えることもできる。
が、そう考えてしまうとメディアというものをやや一面的に見てしまっているので気をつけてみてほしい。
最初に取り上げたように、今の時代はすでにあらゆるところに媒介手段としてのメディアが存在している。
そうすると、あくまでもコミュニケーションする上で前提となるものがメディアという風に思ってしまいかねない。
実際、新聞メディアといったものの登場を機にメッセージがどのように発信/受信されているか、さらにはどんな影響を与えているかを探求する「マス・コミュニケーション研究」が登場した中で、「媒介」としてのメディアというよりも「手段」としてのメディアというものが意識されるようになっていった((吉見俊哉(2012)『メディア文化論 メディアを学ぶ人のための15話』))。
メディアの語源
けれど、メディアということばが登場した初期である16世紀後半にはコミュニケーション媒体といった意味に限定されていたわけではなかった。
メディア(media)はラテン語のmedium(意味:中間の)ということばから派生したもので、あくまでも何かしらの中間に立って「媒介」するものとして用いられていたことばだったわけである((同上))。
まとめ
ちょっと抽象的で分かりにくいと感じたかもしれないが、ご安心を。
「メディア」を考えるとは大変分かりづらいものだからだ!
『「媒介」とか「中間」って具体的な物じゃないのかよ!』
と思わずツッコミを入れたくなることだろう。
「ことば」のように今、目の前で読んでいるものという具体的な物であればまだ捉えやすいことと思う。

だがしかし、目には見えないからこそ意識的に見てみることも時には必要なのだ。
そうでないと、いつの間にか「メディア」に価値観を作られたり、視野を狭められたりされるといったように遊ばられてしまうかもしれない。
ぜひ、そんな「メディア」の存在をフッと意識してみてほしい。
思わぬ発見、そして新しい世界が垣間見えることだろう。