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なんでもありな社会学?―社会理論の構築を目指して社会問題に切り込む

社会学の大きな特徴に挙げられるのが、とにもかくにもその対象範囲の広さだ。例えば、手法を形容詞としてつけた「計量社会学」といった分野もあれば、対象を形容詞につけた「教育社会学」などがある。このような「形容詞+社会学」といった特定の分野を扱う社会学のことを連辞符社会学という。

本記事では、その対象範囲の広さゆえに、いまいちどのような学問なのかつかみづらい社会学について、簡単にまとめよう。

社会学とはー近代における危機の学問

社会学は、当然のことながら「社会」を対象にするわけだが、その社会を成り立たせる「同質性」「関係性」を読み解くことを目指すといっていいだろう。そんな社会学が誕生したのは、「啓蒙思想・産業革命・科学主義」が起きた「近代社会」がつくられていく中で、さまざまな「社会問題」を反省的に振り返るためであった。

まとめると以下のようになる。

「啓蒙思想が登場し、資本主義による分業化が進んだ近代において、方法論的全体主義に則り反省的に社会のありさまを見つめ直す危機意識によって生まれた学問」

社会学はどのようにして誕生したか―近代における危機の学問と反省のまなざし

社会学の調査法ー量的研究と質的研究

「社会」というあいまいなものを研究するためにも、データを集め、分析していくために社会調査法が編み出され、各手法は精錬化されてきた。

大きく「量的研究」と「質的研究」とに分けられる。

量的研究とは「数字を使う調査法」で、統計を用いて「科学的でハッキリとした知識」を得るための調査法である。統計を駆使してデータを正確に分析するためにも、研究の問いに応じて適切な仮説を立てるためにも、データを集めて分析するためにも、豊富な知識と経験・スキルを必要とする調査法だ。

一方、質的研究とは「数字を使わない調査法」で、「人々の経験・知識・概念」を問う調査法である。統計では見出せないような、人々の「考え方」を地道なフィールドワークやインタビューなどを通じて調査していく。また、新聞をはじめとしたメディアのテクスト分析なども、質的に研究されることもある。

社会を知るために「思い込み」をぶち壊していく―社会調査のための「量的研究」と「質的研究」とは

社会理論の構築を目指して社会問題に切り込む社会学

総じて、社会学は「近代社会」を反省する意識から生まれ、「社会問題」を対象に「量的研究」や「質的研究」の「社会調査法」を用いて研究を行う学問だといえる。

研究を行う中でそれぞれの方法論を発展させることも重要な研究の目的とされているが、そもそも「近代社会」がつくられていったように、「社会がどのように変わっていくのか」という「社会変動」をはじめとした社会理論を構築しようともしてきたのが社会学だ。

「社会」なるものは確かにあやふやで時代とともに移り変わるものだろう。だがしかし、「学問」として研究をするということは、可能な限り、対象とするものの理論化、つまり「社会学者が共通して持つ社会理論」をつくるように努力するのだ。

しかし、そもそも「変わる」ことを前提に研究しようとする社会学は、その特徴ゆえに、皆が皆、納得できる社会理論をいまだ築けていると言えないのである。

各々が引き継いできた理論は当然あるのだが、それが非常に多岐に渡っているのである。

ざっくりと言えば、「社会変動の理論」を構築しようとする社会学者と、むしろ社会は変わるものだと割り切って「差異化」させていく社会学者がいる。ある意味では、二つの立ち位置を持つ両者が補いながら社会学は今も進展していると言えるだろう。

だからといって、過去の蓄積をないがしろにしてしまえばいい、というわけではない。むしろ、「多元化」しているからこそ、過去にどのような理論がつくられていったのか、それを学びながら、今を見つめていくこと、それが「社会学」を学ぶことだとも言えるだろう。

その中で、各々の研究する上での「問い」を持って、「社会問題」と向き合っていくこと。それが肝要なのだと思う。

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